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碧の島 2
第22章 さようなら、そしてありがとう
香菜side
・・・・・・・。
中から聞こえた・・・さーちゃんの声。
全ては・・やっぱりさーちゃんだった。
実は違うっていうことを期待したわけじゃないけど・・・・だけど・・・・。
中から刑事さんが出てきてその後ろに髪の長い・・・さーちゃん・・・。
賢吾は直ぐに私を抱きしめさーちゃんと目が合わないように私を壁に押し付けた。
「・・・・私は死刑みたいだから・・・あの世から呪ってやるわ・・・・・」
・・・・・・・ッ
直ぐに・・・。
「ほら・・行くぞ・・・」
刑事さんの声がして・・・。
カツンカツンと・・・歩いて行くヒールの音・・・・。
ゆっくり私から遠ざかっていく・・・・。
なんで・・・。
さーちゃん・・・・。
カツンカツン・・・・。
さーちゃんっ?
直ぐに賢吾を振り切り・・・・。
「さーちゃんっ・・・・・」
皆を傷つけて・・・星野さんの家族の命を奪った人・・・・。
何を言うの??
何を言えるの??
そう思ったけど・・・・・。
私は・・・・。
さーちゃんの足が止まった・・けど、こっちは向かない。
貴方に・・怒ってる。
私は怒ってるけど・・・・。
「一緒に働いてるときは・・・・」
そう思ってたの。
あの時は・・・。
「楽しかった・・・・」
あの時はそう思ってた。
さーちゃん・・・。