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第14章 桜井正平
「バチが当たったんだ。快楽を求め過ぎた」

 森木は思い出を楽しそうに話していたのが、ここにきて苦しそうなもの言いになっている。

「噂では聞いたことあったけど、本当のことだったのね」
 ミドリは事件そのものを知らなかったようだ。

「俺はずっとデカい男に憧れていた。チンポももっとデカくなって欲しいと、いつも考えていた。
 東川さんは心の中の憧れのようなものが出るんだと言ってたけど、俺の場合もそうだ。夢が叶っちまったんだ」

「東川って、あのおチンチンぶら下げた女も、そのレンガの事件が関係してるの?」

「そうだ、あの人は」

「森木さん、しゃべり過ぎだぜ」

 森木の後ろから声がして、森木とミドリは声の主を見た。
 ひょろ長い、長髪の男が立っていた。目つきも怪しく、不気味なイメージを放っている。

「さ、桜井さんか」

「そんな女に悩みを打ち明けてどうするんだ。その女は我々の弱みを探ってるんだぞ」

 チッ!ミドリは舌打ちした。時間があれば、このウスノロからもっといろいろ聞き出せたものを。
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