パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第18章 今井久子のモノローグ

　翌日、見送りに来た現地の社員が、部屋で倒れている私たちを見つけ、二人は病院に運ばれました。
　目覚めた私もオーナーも、身体に問題はない、気を失ったのも、毒素によるものではないとの診断でした。
　その日のうちに私たちはここに帰りました、

　でもあの時、あの男に何かされてから、私たちはすっかり変わってしまいました。

　楽しいと思う気持ちが沸いてきません。
　男に抱かれたいという気持ちには全くなれません。
　男のあそこなんか、触りたくもない。
　美味しいものを食べたいという欲求も出てきません。
　お金儲けにも意味をみいだせなくなりました。
　ベッドから起きても、何もすることが思いつきません。
　性の快楽や食べたい、飲みたいといった、生きる歓びの一切を、あの男に奪い取られたのです。


　オーナーはどうしたですって？
　実はこの家におります。
　二階の寝室で横になっています。

　私はオーナーよりはずっと軽症です。私はお腹が空いたら何か食べたくなりますから。
　オーナーはご自分からは何も口にしません。ただ、ベッドの上で死を待っているだけです。死なれると困るので、なんとか栄養を摂ってもらっている状態なのです。