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第20章 対決

 俺はなんて愚か者なんだろう。

 すると男の声が聞こえる。
「死んだほうがいいのかもな。生き恥をさらすとはこういうことだ。せっかくの命を無駄使いした罰だ、苦しく、苦しく死んでいくとしよう」

 ユージーンはそのとおり、と相づちを売って、心臓を鷲掴みする。
 ドキンドキンと暴れる心臓に爪を立てて、もがき苦しむ自分をもう一人の自分が憐れんでいる。

 が、やがて痛みはすべてを呑み込み、ユージーンは絶叫した。

 ユージーンの生命が消えていくのをグリムリーパーはじっと眺めていた。
 その背後から、大ダコの何本もの足が男の身体に巻き付いた。

 しかし、巻き付いた足はみるみる干からびていく。大ダコがその大きな頭を持ち上げたときには、すでに生気のあるのは頭だけになっていた。
 その頭も、持ち上げる間もなく、細く、萎んでいった。
 桜井は蛸として、人の感情を持たないままミイラになって死んでしまった。

 東川は二人がどうなったのか、どこにいるのかもわからない。しかしグリムリーパーが何の動揺も見せずに歩いてきたのを見て、やられたのだ、と思った。

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