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申し訳ないですが、Mです。
第6章 面接
心臓がドキドキする。

僕は緊張するので面接はキライだ。

ーきゅうりはキューカンバー

ーcool as a cucumber

ー落ち着いて、冷静に。

僕は心の中でいつもの呪文をとなえる。

中学生の頃だったか、後ろの席の女の子があがりしょうの僕に教えてくれたおまじない。

広い部屋には絨毯が敷いてあって、ふかふかしていた。

窓を背にして、大きな机がおいてあり、背もたれの大きい回転椅子に男が座っていた。

黒木だ。

彼は僕よりも年上で、ガッチリ型のスポーツマン。

少し日に焼けた肌は健康的で、自信に満ちあふれていた。

僕は机の前に置かれた椅子の横まで進んだ。

ーきゅうりはキューカンバー

心の中で唱えながら。

「どうぞ座ってください」

「失礼します」

黒木に勧められ、椅子に腰かける。

黒木はじっと机の上で手を組み、僕の目を見た。

はっきりいって、僕は他人と目を合わすのが苦手だ。

でも、じっと目の奥を見据えるように見られると、なぜだか視線をはずせなかった。

「黒木です。呼び出してすまないね」

落ち着いた声だった。

「い、いえ。大丈夫です」

僕はあたふたしながら返事をした。

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