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官能小説を描いてみたい人の参考書になりたい
第3章 唇
☆:*・∵.:*・☆
 兄のキス
☆:*・∵.:*・☆
 
 あかねがベッドサイドに腰掛けると、固いベッドのバネががユラユラと波打った。

 あかねが手許のテレビのリモコンのスイッチを押す。常にアダルトビデオが流れ続けているのか、全裸の男女が熱く抱擁している場面とスピーカーからは女性の切ない様な喘ぎ声が大音量で流れた。

「えっ、えっ? あっ……」

 あかねは慌ててスイッチを押しテレビを消す。

――ラブホテルのテレビってこんなのばっかりなの?

 あかねの頬が真っ赤に染まる。驚きと興奮で耳朶みみたぶまで赤くなるのが分かった。頬が火照る。両方の手のひらを団扇うちわの様にして自分の顔をパタパタと扇いだ。

「えっ?」

 龍太郎の顔があかねの目の前にある。普通の生活で兄弟でもあり得ない距離だった。

「んっ、あっ……お兄ちゃん……」

 次の瞬間、兄の唇はあかねの唇を捉えていた。妹の肉厚の唇を小鳥の様に啄む。顔を離しては何回も啄む。その度に『チュ、チュ』と言う音が部屋に拡がる。

「もう、急になんて、ビックリするじゃない!!」

 あかねは少しだけ頬を膨らませ、その後で白い歯を覗かせた。

――お兄ちゃんって結構キス上手いんだ。ドキドキしちゃった。
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