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ハンカチの君
第22章 ハンカチの君

今日もあの日から毎日持ち歩いている、今はもう放送していないアニメのキャラクターのハンカチを道端に落とした。
そのハンカチは洗濯をしすぎて色が薄くなっていたが、辛うじて柄がわかった。
もうクセになっていて、自然と落とすので落としたこと自体を帰り道にそこを通るまで思い出しもしなかった。
だからいきなり話しかけられて酷く驚いた。
「あの、これ落としましたよ。」
そう声をかけてきた女性は、澄んだ声をしていた。
人と話すのが久しぶりだったので、顔を上げることができなかった。
その女性が綺麗な手で持っている薄汚れたハンカチをじっと見た。
清一郎が黙っていたので、女性は勘違いしたようだった。
「あの、もしかして違いました?」
「あ…ああ。僕のです。ありがとうございます。」
清一郎は手を震わせながら受け取った。
女性は柔らかそうな声を出して笑った。
「ふふふ、よかったです。」
清一郎はその女性の声があまりにも優しかったので顔をゆっくりとあげた。
その女性は濃いアイメイクを施した大きな目を細めて、屈託のない笑顔をしていた。
清一郎と目があっても嫌な顔をすることはなかった。
「このハンカチ、昔流行ったレアチーズ戦隊ププモンですよね。」
「…あ、はい。」
「私も昔好きでした。」
「…そうですか。」
「あ、ごめんなさい引き止めてしまって、もう行きますね。」
清一郎が人と話すのが久しぶりすぎてどう反応していいか悩んでると女性は頭を下げて後ろを向いた。
清一郎は咄嗟にその女性を追いかけた。
無意識だった。
追いかけて何かをしたいとは思っていなかった。
女性が入っていった建物の中に入った。
「お客様、当店のご来店は初めてですが?」
店員に話しかけられて我に返った。
帰ろうと思ったが、その店員が写真を何枚か持ってきていい女の子がいるとお勧めしてきた。
その時になってこの店が性的サービスを提供する店だとわかった。
そのハンカチは洗濯をしすぎて色が薄くなっていたが、辛うじて柄がわかった。
もうクセになっていて、自然と落とすので落としたこと自体を帰り道にそこを通るまで思い出しもしなかった。
だからいきなり話しかけられて酷く驚いた。
「あの、これ落としましたよ。」
そう声をかけてきた女性は、澄んだ声をしていた。
人と話すのが久しぶりだったので、顔を上げることができなかった。
その女性が綺麗な手で持っている薄汚れたハンカチをじっと見た。
清一郎が黙っていたので、女性は勘違いしたようだった。
「あの、もしかして違いました?」
「あ…ああ。僕のです。ありがとうございます。」
清一郎は手を震わせながら受け取った。
女性は柔らかそうな声を出して笑った。
「ふふふ、よかったです。」
清一郎はその女性の声があまりにも優しかったので顔をゆっくりとあげた。
その女性は濃いアイメイクを施した大きな目を細めて、屈託のない笑顔をしていた。
清一郎と目があっても嫌な顔をすることはなかった。
「このハンカチ、昔流行ったレアチーズ戦隊ププモンですよね。」
「…あ、はい。」
「私も昔好きでした。」
「…そうですか。」
「あ、ごめんなさい引き止めてしまって、もう行きますね。」
清一郎が人と話すのが久しぶりすぎてどう反応していいか悩んでると女性は頭を下げて後ろを向いた。
清一郎は咄嗟にその女性を追いかけた。
無意識だった。
追いかけて何かをしたいとは思っていなかった。
女性が入っていった建物の中に入った。
「お客様、当店のご来店は初めてですが?」
店員に話しかけられて我に返った。
帰ろうと思ったが、その店員が写真を何枚か持ってきていい女の子がいるとお勧めしてきた。
その時になってこの店が性的サービスを提供する店だとわかった。

