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ハンカチの君
第22章 ハンカチの君
夕食を食べ終わると圭子しか部屋にいないのを確認して部屋に入った。
圭子の知人に清一郎と会っていたことがバレると圭子の立場が悪くなると思ったので、部屋の周りに誰もいないときを狙った。

「清一郎さん!?」
想像どうり圭子は驚いていた。

「しっ、ごめんね、驚かせてしまって。」
「…清一郎さんはどうしてこの宿に?お一人ですか?」
「うん。1人だよ。合宿先がこの宿なんて思わなかったよ。ここの株を少し持っているんだ。優待券があるから、気晴らしに泊まりにきてみたんだけど、レイちゃんに会えるなんてラッキーだったな。」
株や優待券など持っていなかった。
圭子に会うためにわざわざこの宿を圭子が泊まる日に予約した。
だが、不審がられないように嘘をついた。
純粋な圭子はすぐに信じた。

「そうだったんですね。それであの、何の用でしょうか?」
少し早口な言い方に、誰か部屋に入って来て清一郎といるところを見られたらどうしようかと考えているのが分かった。
部屋に誰か近づいたら、雇っている探偵が電話をしてくるのですぐにわかるが、その事は言わなかった。

「うん。突然ごめんね。実はこれをどうしても渡したくて。」
清一郎はそう言って貝殻の柄をした小さなお守りを圭子に渡した。

「これは?」
「これは願いが叶うって言うお守りだよ。なんだかさっき見かけたときに随分思いつめた感じがしたから、気晴らしになればと思ってね。部屋まで押しかけて迷惑だったよね。ごめんね。」

清一郎は圭子が涙を流したので眉を下げて申し訳なさそうな顔をした。

「い、いえ違うんです。これはその私こんなふう人に優しくされたことなかったから、嬉しくて。」
「グハハ〜なら良かった。…そろそろ同室の子が戻ってくるかもしれないから行くね。」
清一郎は圭子が喜んでくれて嬉しかった。

人に優しくされたことがないのは、今日1日の合宿でのことを探偵から聞いていて分かっていた。
サークルの人たちは圭子に酷すぎる。
自分が圭子を守ってあげないといけない。

その時探偵からの連絡でスマホのバイブが鳴ったので、扉から出て行くふりをして、足音に気がついて隠れたように見せかけた。
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