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第2章 出会い

待ち合わせの店はお洒落なイタリア料理の店だった。

薄暗い路地裏にある隠れ家的店らしく、外に書いてあるメニューに値段は載っていなかった。

悠馬から店のURLが送られてきてはいたが、毎日忙しかったので場所しか確認していなかった。

ファミレスだろうと勝手に思い込んでいた圭子は、戸惑いながら待っていた。

奢りでなかったら、こんな店の料理代は払えないと思った。
それに、悠馬と直接会ったのはサークルの新入生歓迎だけだった。
新歓からは2ヶ月もたっていたため、何を話したらいいのかわからなかった。

約束の時間10分遅れて悠馬が来た。
「ごめんね。待ったよね？フットサルの試合が長引いてさ。」
そう言って悠馬は言い訳をした。
しかし、明るめの茶色に染めた髪の毛には寝癖がしっかりとついていたので寝坊したのは明らかだった。

しかも、汗をかいた様子もなかった。
試合があったのかどうかも怪しいが、そのことには触れなかった。

「ううん。私も今来たところ。」
「そっか、それならよかった。店に入ろうか。」
悠馬は圭子の手を優しく握ると、エスコートするように歩き出した。

圭子は悠馬に突然手を握られて驚いている間に店に入っていた。