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ハンカチの君
第10章 終わらない一日
圭子は悠馬に渡されたエプロンを裸のまま身につけた。
乳首は透けて見えて、服に擦れると痛かった。

お尻は丸見えだったが、鞭で打たれたお尻に布が当たらないので、むしろよかったと思い直した。

ただ、背中側の腰のあたりでレースの紐をリボン結びしたので、リボンが背中の傷痕を刺激して、痛かった。

このエプロンを身につけるだけなら問題はないが、今日一日はまだまだ長そうだと思い暗い気持ちになった。

キッチンに行って、冷蔵庫の扉を開けた。
冷蔵庫の中は悠馬の言いつけで、圭子が毎週補充しているので、充実していた。

悠馬がお腹が空いていると言っていたので、待たせると大変な目にあうだろうと思い、簡単なパスタを作ることにした。

パスタを茹でて、フライパンにオリーブオイルを引いて具材を包丁で刻む。
卑猥なコスプレをさせられたので、てっきり邪魔してくるだろうと思っていたが、悠馬はよほどお腹が空いていたのか、テレビを見ながら大人しくソファーに座っていた。

パスタが茹で終わると食器棚から2つの白いお皿出して、麺を載せた。
手作りのトマトソースを上からかけると、チーズとバジルをその上に載せた。

冷凍庫しておいた、カボチャのスープを電子レンジで解凍して、真っ白なカップに注ぐ。

悠馬は見た目のこだわりが強く、インスタントのスープは好まないのは分かっていたので、時間がかかっても盛り付けは美しく見えるように工夫するし、すぐに出せるように冷凍庫にスープなど時間があるときにまとめて作って保存していた。

悠馬の好みを理解していて、それに合わせている自分を好きではなかったが、仕方がなかった。

パスタとスープを4人掛けのダイニングテーブルの上に載せると、フォークとスプーンを横に並べて、悠馬を呼んだ。

「悠馬様、遅くなりました。食事の準備が出来ましたので、お食べください。」
「…遅い。」
悠馬はソファーからダイニングテーブルの椅子に座ったので、圭子は向かいの椅子に座ろうとして、悠馬に止められた。
「遅すぎて力が出ないから、食べさせて。」
「…分かりました。」
圭子は席を立つと、悠馬の隣の席に座った。
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