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第2章 出会い

お金のことで頭を悩ませていると、圭子の目の前に店員がパスタを置いた。

悠馬の前には、一番高かったパスタとピザとデザートのセットが置かれていた。

悠馬は目の前のピザを嬉しそうに口に入れた。
美味しいと言って圭子にも勧めてきたが、圭子はそれをお腹があまり空いてないからと言い訳をして断った。
お会計が割り勘だったらどうしようかと頭がいっぱいになり、フォークに巻きつけて口に入れたペペロンチーノの味が全く分からなかった。

悠馬はほとんどサークル活動の話をしていた。
圭子は相槌を打つだけでほとんど聞いていなかった。

圭子は比較的ゆっくり食べた。
しかし、悠馬の頼んだ料理の量が多く、悠馬がデザートを食べ終わる前に圭子は食べ終わってしまった。

悠馬がデザートを食べ終わったら、自身がお金があまりないことを伝えて少しでも多く負担してもらおうと意気込んでいた。


しかし、悠馬はデザートには口をつけずに手を止めた。
下を見て顔を赤く染めた。

具合でも悪いのだろうかと思い、声をかけようと思った。
その瞬間に、店中に響く声で悠馬が叫んだ。

「田中圭子さん。僕と付き合ってください！！」
「…へ？」
圭子は驚きのあまり、喉の奥から甲高い声が出た。

悠馬とは、今日で会うのが2度目だった。
今日も会ってからまだ数時間しか経っていなかった。
ろくな会話もしていないのに、いったい圭子の何が良かったのか。

圭子のその想いが顔に出ていたのか、悠馬は慌てたように告げた。
「初めて会った時に一目惚れしました。メールのやり取りでもっと好きになりました。」

圭子は納得した顔をして頷いた。
悠馬が一目惚れと言った時、圭子の胸をチラリと見たのがわかったからだ。