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第10章 終わらない一日

圭子が体を洗い終わると、悠馬は浴室を出たので、圭子もそれに続いてタオルを手にとって、悠馬の体を拭くと、自身の体を拭いた。
いつものように悠馬の髪を乾かして自身の髪を乾かすとパジャマに着替えて悠馬を追うようにして寝室のベッドに寝転んだ。

今日の命令はもう終わりだろうか、そう考えてビクビクしながら壁を見つめていると、悠馬が口を開いた。
「今日は泊まってくだろ？」
「…うん。」
少し寝てすぐに帰るのがほとんどだったが、圭子には帰る気力はもう残っていなかった。
恐らく今寝てしまったら、朝まで起きられないだろう。
幸い明日は土曜日で、学校もないし、アルバイトも確か休みにしていた。

今日はよく寝て明日のお昼過ぎに帰ろうと考えていると睡魔が急激に襲ってきた。
「明日はなんか予定あるのか？」
意識が朦朧とする頭で、珍しく悠馬が圭子の予定を聞いてきた。
いつも予定なんか御構い無しに呼び出すくせにと考えて、思考が曖昧になっていて、何故だか笑いがこみ上げてきた。

「ふふふ、ないわ。」
「なら、明日は買い物に行くぞ。合宿に必要なもの買いに行くぞ。」
「…うん。でも、お金がない。」
「…それくらい買ってやる。」
悠馬が珍しく優しい声で圭子の耳元で囁いた。

圭子は耳をくすぐったく感じて、クスクスと小さな声で笑いながら眠りについた。

悠馬は圭子のお腹に腕を回すと、肩に顔を押し付けて眠った。