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ハンカチの君
第13章 料亭
清一郎からメールで送られてきた地図を頼りに、お店の前に着いた。

お店の建物が分かると、何度も地図を見直してメールに書いてあったお店の名前と相違がないかを確認した。
路地裏の突き当たりにある店で、間違えようがなかった。

大きな門の上にお店の名前が書いてあった。
門の外からは、立派な庭が見えた。
敷石のアプローチの先に扉が見えたので、そこがお店の入り口なのだろう。

いかにも高級料亭というたたずまいに、圭子は恐れ慄いた。
自身の服装をみて失敗したと思った。

いかにも夜のお店で働く人が着るようなミニスカートでこの店に入ることに戸惑いを感じた。
路地裏の目立たない場所だったので、中に入るのに人目を気にする必要はなかった。
だけど、入ってからどんな目で店員に見られるのかと想像して嫌な気持ちになった。
悠馬にプレゼントされた服を着てこればよかったと後悔した。

門の端に寄って、緊張で震える手でスマホを取り出して、到着したことを清一郎に連絡した。

清一郎からはすぐに返信が来た。
お店の中に入って、仲居に間宮清一郎の名前を言うようにとのことだった。

圭子は覚悟を決めた。
門をくぐって敷石の上を歩き、お店の扉を開けた。

「ようこそ、当館へ。」
声のした方を見ると、着物を着た女性が2人受付らしきところに立っていた。

「あ…えっと。」
圭子は扉を開けたまま立ち尽くしてしまった。

すると年配の女性が微笑んだ。
「どうぞ、外は暑いので中にお入りください。」
圭子は扉を閉めると、心臓のあたりに手を置きながら深呼吸をして、女性たちの前に立った。
高級料亭の仲居は、圭子の見た目に偏見を持つことなく、丁寧な対応だった。

「今日は如何されましたか?」
「えっと、間宮清一郎さんに…。」
「間宮様のお連れ様ですね。お待ちしておりました。今ご案内いたしますので、そちらにかけてお待ちくださいませ。」
圭子は年配の女性に案内された椅子に座った。

若い女性が消えたと思ったらすぐに戻ってきて、圭子に声をかけた。
「お待たせしました。ではご案内いたします。」
圭子は若い女性の後ろを歩いた。
女性は階段を上がった扉の前で立ち止まったので、圭子も立ち止まった。
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