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ハンカチの君
第13章 料亭
「ごめんなさい、私ばかり食べていて。こんなに美味しい料理を食べるのは生まれて初めてだったので、夢中になってしまいました。」
「それはよかった。僕のことなら気にしないで。デブだからたくさん食べると思われがちだけど、少食なんだよね。」
「そうなんですか?」
「お菓子もほとんど食べないし、顔のニキビもデブも父親と同じだから、おそらく体質なんだろうね。気持ち悪いだろう?」
「いえ、清一郎さんが気持ち悪いなんてそんなことないですよ。確かに見た目は個性的ですけど、優しいですし、いい匂いがします。」
「ガハハハ、そんなことを言ってくれるのはレイちゃんだけだな。料理が気に入ったなら、僕の分も食べていいよ。どうせ食べきれないから。」
「良いんですか?」
圭子は喜んで清一郎の分の料理の載ったお皿を受け取ると、食べ始めた。

あまりの美味しさに夢中になりすぎて、圭子はものすごい勢いで今まで食べたことのない量をお腹に入れたため、苦しくなった。

「うゔ、食べすぎました。美味しすぎて。苦しいです。」
「ゆっくりすると良いよ。本当はゆっくり配膳してもらう料理だったんだけど、圭子ちゃんと2人でいる時間を少しでも長くしたくて一気に並べてもらったんだ。
今日は一日この部屋を貸し切ってるし、時間も気にすることもない。」

清一郎の提案は嬉しかったが、圭子はお金のことが心配になった。
清一郎のことだから、全て払ってくれるのはわかっていたが、ここまでしてもらって良いのだろうかと不安になったのだ。
「あの、ここ貸切って高いんじゃないですか?申し訳ないです。」
「あぁ、お金のことなら気にしないで。僕、お金は無駄にあるんだ。趣味も興味もあるものもないから使い道もなくてね。無くならないんだよね。働いてないけどさ。」
「そうなんですか?…このお店は、よく利用するんですか?」
「昔両親と来たことはあるけど、僕が予約したのは初めてだよ。一緒に食べに行く人もいないし、外食に興味ないから。
ただ、この店の建っている土地はうちの持ち物だから、融通が効くのを思い出したからここにしただけだよ。」

清一郎は圭子が考えているよりもずっと金持ちなのかもしれないと思った。
安心したような、恐れ多いような気がした。

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