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第14章 合宿

「圭子先輩〜圭子先輩〜！！夜ご飯食べに行きますよ？」
圭子が目を冷ますと、瑞樹が圭子を揺さぶっていた。

「あ、ごめんなさい。私寝てしまったわね。」
圭子は起き上がると、浴衣を素早く身につけた。

瑞樹と歩いて夜ご飯を食べる会場に向かう途中に、美玲達が何かを指差して騒いでいるのが見えた。

「うわ〜あれ見てキモ！！！」
「肌とかニキビでブツブツ！さすがデブって感じ！！」
「目と身長小さすぎでしょ。団子鼻の癖に髪が私より綺麗って逆にキモい！！」
「しかも見てよ！！あの鞄！！アニメのキャラクターじゃん？キモさを通り越して、悪寒がするわ。」
圭子は美玲達が指を指している先を見ると、見覚えのある人物が立っていた。

「清一郎さん？」
圭子がボソッと呟くと瑞樹は不思議そうに首を傾げた。

「どうかしました？」
「あ、ううん。何でもないの。」
「そうですか。…あ！！あの人めっちゃブッサイク〜！！！ヤバ！！ウケる！！！」
瑞樹は急に清一郎を指差して爆笑し始めた。

大きな声を出したので、美玲達と清一郎が圭子と瑞樹を見た。

「瑞樹、声が大きいわよ。」
圭子が制したが瑞樹の暴走は止まらなかった。
「だって、びっくりするくらいブサイクなんだもん。圭子先輩もそう思いますよね？なんせサークルで一番のイケメンの彼女さんなんですから、視界にすら入れたくないって感じ？」
「…顔だけで判断するのはよくないと思うわ。」
圭子も清一郎は不細工だと思う。
だけど、清一郎を傷つけて欲しくなかった。

「え〜？性格がいいなんて最低限の顔があってからですよ〜。それに悠馬先輩と付き合ってるのに説得力ない〜。」
瑞樹はゲラゲラと笑って飽きたのか、深海魚の話をし始めた。

圭子は目を伏せて、瑞樹の飛びまくる話題に適当に相槌を打っていた。