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第16章 海水浴

「…はぁ？」
悠馬は地の底から湧き上がる声を出して、圭子はビクリと震えた。
しかし、勢いでここまで言ってしまったのだ、後に引くことはできなかった。

「もう写真を消してよ。私を解放して…。」
圭子は体育座りをしたまま、顔を膝に押し付けて小さな声で呟いた。

「…何？お前今まで写真が怖くて俺と付き合ってたわけ？」
「当たり前でしょう！私に安らぎを与えてくれたことある？私を気持ちよくさせてくれたことある？いつも自分の事ばっかり！エッチだって…！！」
圭子は勢いのあまり失言をしたことに気がつき手で口を押さえようとした。
しかし、悠馬が圭子の手首を掴んだので、怯えた顔で悠馬の顔を見ることしかできなかった。

悠馬は今まで見たこともないほど怒った顔をしていた。
今まで遊び半分で怒っていたのだと思うほどで、圭子の手首をギリギリと握りしめた。

「エッチが何だって？」
「や、嘘、ごめんなさい。そんなつもりでなかったの！…許して、お願い。」
「何を許して欲しいんだ？俺と別れるんだろ？なら、他の奴らにやられてもいいんだよな？今から皆に声かけに行こうぜ。喜ぶだろうよ。そのデカパイでしっかり奉仕してやれよ。」
「や、やだ〜。ごめんなさい。許してください。ごめんなさい。何でもしますから、お願い〜。」

悠馬は手首を掴んでた手を離すと、圭子の顎を指で掴んだ。
指の力は痛くて、圭子の顎は割れそうだった。

「…彼女でないやつに、何もされたくね〜よ。彼女辞めるんだろ？なら、ここで他の奴に何されようが俺の知ったことじゃね〜し。」
「やぁ〜。お願い、お願いします。彼女辞めたくない！彼女のままでいさせてください！」
「お前に安らぎも与えず、セックスで感じさせてもやれないのに、彼氏になんてなれないわ。脅して無理やり彼女になってもらっても、申し訳ないし？」
「や、やぁ〜。ごめんなさい。いつも気持ちいいです。」
「俺が怖いから無理やり言ってるんだろ？もういいわ。別れようぜ。」
悠馬はそう言うと立ち上がって歩き出した。

圭子は慌てて立ち上がると、ラッシュガードを勢いよく脱いで悠馬を追いかけた。