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もしも勇者がラスボスと子作りをしてしまったら。
第1章 いきなりラストシーンです。
「あれ……ここは……」
宿敵が息を吹き返し、自分の目の前でゆっくりと立ち上がった。
その姿に、思わず胸の奥で心臓がドクンと跳ねる。
でもこのドキドキは……何だかおかしい……。
自分と同じように真っ裸で目前に立つ人間。
あれほど人間に興味などなかったはずの私が、その筋骨隆々な身体と汗まみれの肌を意識すればするほど、心の動揺が激しくなる。
それを誤魔化すように、私は拳を構えると相手を鋭く睨んだ。
「き、キサマ! マダイキテイタカ!」
咄嗟に口を出た言葉は、何故が驚くほど片言だった。
自分の今の姿も含めて、まさかこんなにも情けない姿をさらけ出してしまうなんて。
しかし、相手の方はというと、その身体に一切の闘志を宿すことなく、柔らかな目で私を見返してきた。
思わずそんな勇者の視線にドキリとまた胸が高鳴ってしまい慌てて視線を逸らすも、今度は相手の股間にぶさらがっているものを見て更にドクンと心臓を鳴らしてしまう。
さっきまで自分の恥部にあれが刺さっていたかと思うと、なんとも言えないむず痒さが腰の周りを這い回る。
そして、身体が勝手に思い出すのはあの気持ち良さ。
不覚にも一瞬よからぬ妄想をしてしまっていた時、不意に相手が口を開く。
「もう、やめよう……」
何? と私は眉間の皺を深めた。
私との勝負を、やめるだと?
それは勇者自身が、己の約束と目的を放棄するということ。
人間たちの期待を、自ら捨て去ることと同意語。
互いに疲弊しきっているとはいえ、今の奴であれば、私に致命傷を負わせることなど容易いはず。
そう思ってしまうほど、私は心のどこかで奴との戦いに負けることを覚悟していた。
だからこそ、勇者の突然の発言に驚いてしまったのだ。
が、次の言葉に、更に衝撃を受ける。
宿敵が息を吹き返し、自分の目の前でゆっくりと立ち上がった。
その姿に、思わず胸の奥で心臓がドクンと跳ねる。
でもこのドキドキは……何だかおかしい……。
自分と同じように真っ裸で目前に立つ人間。
あれほど人間に興味などなかったはずの私が、その筋骨隆々な身体と汗まみれの肌を意識すればするほど、心の動揺が激しくなる。
それを誤魔化すように、私は拳を構えると相手を鋭く睨んだ。
「き、キサマ! マダイキテイタカ!」
咄嗟に口を出た言葉は、何故が驚くほど片言だった。
自分の今の姿も含めて、まさかこんなにも情けない姿をさらけ出してしまうなんて。
しかし、相手の方はというと、その身体に一切の闘志を宿すことなく、柔らかな目で私を見返してきた。
思わずそんな勇者の視線にドキリとまた胸が高鳴ってしまい慌てて視線を逸らすも、今度は相手の股間にぶさらがっているものを見て更にドクンと心臓を鳴らしてしまう。
さっきまで自分の恥部にあれが刺さっていたかと思うと、なんとも言えないむず痒さが腰の周りを這い回る。
そして、身体が勝手に思い出すのはあの気持ち良さ。
不覚にも一瞬よからぬ妄想をしてしまっていた時、不意に相手が口を開く。
「もう、やめよう……」
何? と私は眉間の皺を深めた。
私との勝負を、やめるだと?
それは勇者自身が、己の約束と目的を放棄するということ。
人間たちの期待を、自ら捨て去ることと同意語。
互いに疲弊しきっているとはいえ、今の奴であれば、私に致命傷を負わせることなど容易いはず。
そう思ってしまうほど、私は心のどこかで奴との戦いに負けることを覚悟していた。
だからこそ、勇者の突然の発言に驚いてしまったのだ。
が、次の言葉に、更に衝撃を受ける。