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飼い殺しの犬
第1章 飼い殺しの犬


「……それから、皆でこの合宿所に籠もって……テレビや携帯でニュースをチェックしてた。

でも、幹部候補と木下先輩は、隙を見て逃げたり、買い出しに出掛けたまま帰って来なかったり。

結局……渡瀬先輩と、二人きりになって……」


喉が渇いて張りつき、声が掠れる。

軽蔑しただろう。
実は僕も、犯罪に加担していた……と解って。


山下を見ると、意外にも表情は殆ど変わっていない。




人を殺め、埋めたという罪悪感は、相当なものだったのだろう。
先輩は、少しずつ壊れていった……




「柚木」

先輩が僕を呼ぶ。
風呂の用意をしている最中、全裸の先輩が浴室に入ってきた。

「一緒に入るか」
「……な、何言ってるんですか」

何かの冗談かと思っていた。
重苦しい空気を、一蹴したのかと。
……でも、そうじゃ……無かった。

「いいだろ」

僕の体を厭らしく弄り、服の中に手を差し込む。

「……先ぱ」
「させろよ」

目が、おかしかった。

「俺さ、ずっとシてねぇから溜まってんだよ。
……いいだろ、ゆずき」

物凄い力で僕を壁に追い詰め……唇を重ねてくる。




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