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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第10章 墨の華~過ぎし日の回想録
「そのまま動かないで」
「これは??」
「だから古い遊び。
楽しみが少ない昔の人は、手に出来る物で面白いことを考えつく。これもその一つ、魚拓を女性の秘裂に変えた、字も絵すらも描けない男達が編み出したもので女拓(ニョタク)とも呼ばれているね」
「これが……遊び……」
動かずに、なにかを考えている素振りの奏多。……怒らせてしまったのだろうか? こんなやり方は。
「……僕に怒ったり軽蔑するかい?」
「そこまでは思っていません」
「じゃあ、なにを思ったの?」
「……こんなの、女性が保たない。快楽におかしくなってしまう」
「でも奏多は保たったね」
「おかしく……なると思った。快楽が強すぎて、なにも考えられなくなってしまったの」
「……ごめん。やり過ぎたね」
奏多の悲痛な訴えを無視したのは……僕。
自分の興味を優先した結果は、泣きそうな奏多の姿。
嬉しさのあまりに、奏多に大きな普段をかけてしまった。
「本当にごめん。
……今日はここまでにしよう」
「でも……聖さんは?」
「僕の自業自得だからね。
それに男は、時間が経てば治まりだけはつくもの。心配しなくていいよ」
「でも……」
「奏多を抱きたい。
でもそれは、今でなくともいいことではないかな?
時間はあるのだから」
「聖さん」
「もういいよ、立てる?」
「…………。
ちょっと無理みたいです」
「僕に掴まって奏多?」
「……はい」
体の全てを支え奏多を立たせれば、浮かび上がる奏多の華。見た目そのままに、小振りな墨の華が花開いた。