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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第11章 二夜の過ち
重ねられている手に少しだけ力がこもり、聖さんの顔が近づいて来て、触れるだけのキスを……された。
これだけなのにドキドキしている私、なに期待してるのよ。
「変わるのを怖がらないで、感じるのを受け入れて。奏多は触れるほど綺麗に花開く。今はまだ蕾が綻んだ状態だけど、絶対に大輪に開花するよ」
「こんな……やらしい私……」
「人間は皆同じ、やらしい生き物なのは否定できない。一つ違うのは本能を抑える精神力の違いだね」
「聖さんも?」
「堪らないほど奏多が欲しい。でもね、奏多がその気にならなければ僕は触れない。ただし、その気にさせるように持ってはいくけど」
「私の……。
私は……聖さんに触れて欲しいと思う」
私の素直な心。
思い出すような邪なことではなく、こうして私を諭す聖さんに触れて欲しいと思ったの。……これが心もということなんだよね?
「僕も同じ気持ちだよ奏多」
「聖さん……ん……」
触れる唇は、気持ちよくて温かい。啄むような柔らかい口付けに、私はトロンと瞳を閉じてしまう。
感じるのは、聖さんの唇の感触。男性とは思えないほどにフワフワしていているのに、どこか男性らしさを持つ唇。
「……奏多……」
「……あっ」
唇が離れる。瞳を開けば、聖さんの優しい笑顔。でもその中にある男性としての瞳にドキッとしてしまって、聖さんの瞳が見れない。
「流石に居間は、誰かが来るかも知れないから」
「え……きゃっ!?」
「浴衣も似合う、僕の見立に間違いなかったのが嬉しいよ」
「ゆ、浴衣よりも!」