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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第11章 二夜の過ち
呑気に浴衣を褒められているけれど、今の私は聖さんに抱き上げられていて、慌てて聖さんの首に腕を回しはしたが、浴衣どころの話じゃないよ。
男性にこんなことをされたのは初めてで、私は落ちないかと身を硬くして動けない。そんな私を抱えたまま、聖さんは部屋を移動するために歩く。
「私重いですからっ!」
「重いなんてとんでもない、凄く軽いよ奏多は」
「軽くないです」
なにを言っても降ろして貰えず、連れて行かれたのは、私がまだ入ったことのない部屋。
中に入って驚いた。
だって普通にデスクと書棚、それに大きなベッド。もしかして、ここは聖さんの部屋?
「和風なのに、ここだけ洋風なのがね。まぁ、よく仕事を持ち込むから改装したんだよ」
「やっぱり聖さんの部屋」
「そう。
いつの間にか、機能性重視の部屋になってしまったのが惜しいかな」
印象的には仕事メインに見える、だけど細かい小物は和風の物が多いことに気がついた。これが聖さんの趣味なんだね。
捕まりながらも部屋を見回していれば、聖さんは私をベッドの上に降ろした。
「この部屋は誰の邪魔も入らない」
「……ん……んん……」
降ろした勢いのままにキスが振って来る。触れるから、舌を絡ませる濃厚なキスに変わるまで、そう時間はかからなく、室内に響く二人の混ざり合った体液の音。
「あ……ん……」
「ちゅっ……奏多……」
「んんっ」
もつれるように絡まり、時々吸い上げられてはまた絡む。聖さんの長い舌が、私の舌の全てを奪い取ってゆくみたい。