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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第4章 波瀾万丈の飲み会
「夏目さんも飲もう」
「はい、ありがとうございます」
「固いなぁ奏多ぁー」
「朝陽が軟らかすぎるのよ」
私と朝陽は酎ハイ、三科さんはビールを追加注文し、店員さんが飲み物を持って、部屋の障子を開けた時、後ろを通って行く男性が一人見えた。
「あっ……」
「あれは聖様じゃないか?」
「えっ、嘘? マジ!?」
三者三様。
私は言葉すら出ず。
三科さんは、しっかりと誰かを把握。
朝陽は意外な人物に大声をあげてる。
そう、今通ったのは、伊礼物産社長の息子、伊礼聖(イライ ヒジリ)。
『聖様』というのは社内の愛称とでも言うのかな? 役職的にまだ課長くらいなんだけど、仕事としては社長の片腕として活躍しているので、こんな呼ばれ方をしている。
「奥に行ったということは接待か。聖様クラスになると、プライベートも仕事の内らしい」
「……大変よね」
なにかと目立つ存在で、自身も長身のイケメン。
まだ20代中間くらいと、私は聞いてる。
私達とそこまで歳は変わらないのに、プライベートも仕事の内なくらい社長息子って重圧なんだろうか?
凡人の私には分からない世界だなぁーと思っていれば、なぜか不機嫌そうな朝陽が酎ハイを一気飲みしてるー!?
「別に取引相手と酒を飲んでるだけでしょう?
プライベートと同じだわ」
「……朝陽?」
「金森さん?」
「ん、なに?
本当のことを言っただけよ私。社長息子っていいわよね、それだけでチヤホヤされるもの」