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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第14章 誤解が溶けた愉悦な夜
「わ、私一人で行くんだったら……」
「駄目だ俺も付いて行く。それにな、問診の時に間違いなく相手を聞かれるぞ。……それに聖だと答えられるか?」
「それはっ!」
「立場ある聖よりも、俺のほうが都合がいいんだ。それだけは分かってくれ」
「でも巽さんは関係ない」
「兄弟だ、これくらいの尻拭いはしてやるさ。ただし一度きりだけどな。聖にはしっかり言ってやる、流石に過ぎているからな」
「巽さん……」
「どうやら今日はお預けを食らう日らしい。心配なのは俺より奏多のほうなんだ」
俺のほうは幾らでも機会がある話。だけどな、奏多のほうは時間勝負だ。同じ72時間と言っても、過ぎれば過ぎるほど避妊率は低くなる。なるべく早く憂いは晴らしてやりたいだろ。
男は治まりがつけば、いかようにもなるもの。要するに萎えれば心中はともかく普通に見える。今は奏多を優先にしてやりたい。
「そうと決まればシャワーか風呂だな。ほら、こい奏多」
「え? えぇ!?」
まだ余韻があるだろう奏多を半ば無理やり立たせ、背中を押して風呂場へと連れて行く。客間の風呂は絶え間なく湯を張っているから、こんな時には苦労はしないんだ。
「シャワーがいいか、風呂がいいか?」
「ふ、風呂で……」
「ほら、湯をかけてやるから、ボディーソープで洗い流せよ」
「巽さんは?」
「俺はシャワーだ」
一緒にくっついていたら、治まるもんも治まらん。
シャワーをぬるめに設定し、俺は冷水とばかりに頭から被った。