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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第14章 誤解が溶けた愉悦な夜

「……あ!」
「ん?」

奏多は俺が見つけた避妊具を見て、どこか複雑そうな顔をしている。なにかあったのか?

「奏多?」
「その……巽さんは、ちゃんと避妊してくれるんですね」
「俺は? ということは聖か」
「中に……出されて……。何度もシャワーを使って洗い流したけど、まだどこか不安で……」
「聖が生出し……」

抜け駆けはしないじゃなかったのかよ聖! しかも奏多は出されたことに不安を感じている。今までが今までだ、男に抱かれる危険性や、ピルで避妊といったことは頭にないだろう。……参ったな、俺はどうすればいい?

「もしもがあったら私……」
「それでも俺が責任を取ってやる。可能性は低いとは思うが、本当に『もしも』の場合俺を頼れ。そして選択肢はまだあるんだ奏多」
「選択肢?」
「あらかさまに聞く、聖に抱かれたのはいつだ?」
「え……? その、一昨日の夜……」

ざっと計算しても48時間も経っていない。確かアフターピルのリミットは72時間だったはず、俺が原因だと病院に連れて行くのが一番確実な方法。奏多の不安を取り除くのであれば、俺は別段構いはしない。……後で聖にお灸を据えるけどな。

「アフターピルという物がある。100%とは言わないが、72時間以内であれば、高確率で膣内に出された精子を避妊する方法だ」
「アフターピル、聞いたことだけは……」
「……必要か奏多?」

それには考え込んでしまったか。多分に奏多は病院処方だということに気がついた、俺はそう思う。

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