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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?
巽さんに無理やり風呂に入れられた後、私は巽さんの車で病院に連れて行かれた。日曜なので緊急病院なのだけど婦人科系にも対応してくれて、そこで巽さんは『俺がやった』と言ってくれたの。
お医者さんには少し怒られたけれど、巽さんが言っていたアフターピルをその場で服用して、今は聖さんの家に帰るために車の中。
「大丈夫か?」
「……え?」
「医者も言っていたが、副作用で吐き気とかあったら、すぐに言うんだぞ」
「それは平気のような気もしますから」
今のところ体調等に変化はないの。お医者さんは24時間は……って言っていたけれど、私の感覚的には大丈夫のような気がするのよ。それよりも……。
「よかったんですか巽さん」
「なにがだ?」
「病院であんなことを言って。犯罪じゃないという理由のために、名前を書かされていたから」
「言っただろ、聖より俺のほうか都合がいいと。ついでに近場の病院だからな、伊礼の名でなにも言わんさ」
何事もないような巽さんの素振りに、私のほうが気が引けてしまう。だって、巽さんは関係ないもの、初めて会った時も、ちゃんと避妊具を使用してくれていたんだよ。それに、それに……。
「私のせいで、中途半端になってごめんなさい」
「なんだそんなことか。これから機会はいつでもあるんだ、繋がりたいとは思ったが、がっつきたいまでは思っていない」
「がっつき……」
「違ったか? だとすればなんだ……欲をかく、こう言ったほうがいいのか、俺にも分からん」