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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

ど、どちらも意味は同じだけど、ちょっと話が違うような……。私が言いたかったのは、あんな時に止めるようなことを言ってしまったこと。あのまま、なにも言わず抱かれていたほうが、巽さんにはよかったと思うと、いたたまれないの。
「気にすんな」
「でも……」
「なんなら、この車の中で襲うか? ツーシートだから外に丸見えだぞ」
「えぇ! それは……無理です」
「だろ。俺も犯罪者扱いは勘弁だからな」
「犯罪者って……」
「強姦の現行犯」
流石にそれは飛躍し過ぎじゃ……。もしあったら『和姦』って、しっかり言うと思うし……あれ? 私どうしてこんな話をしてるの?
(もしかして、話を逸らされた?)
私がいつまでも拘るから、巽さん……わざと違う話をしたんじゃない? 巽さんの気づかいに勝てない私。口は悪いけど、聖さん以上に気を使ってくれているのが分かるのよ。だから私も巽さんには軽口になっちゃう。
「……ありがとう……」
「ん、分かればいいさ」
だから素直に、『ありがとう』の一言を添えた。
感謝はしっかり示さないと、後からでは言えないもの。巽さんが気づいてくれたから、私は可能性を限りなく0に出来たんだよ。そして不安にならずに済むもの。……本当に、ありがとう。
「ところでだ。今は一旦聖のところに戻るが、奏多はどうするんだ」
「私? 明日は仕事だから、家に帰りたいけど」
「聖が言っていたかも知れんが、家がバレている可能性だってあるんだ、このまま帰すのもな」

