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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

確かに俺たちとはバレないが、三科も暫くはこの近くには来れないな。全く聖はとんでもないことを考える。それで世間を渡り歩いてる聖だからな、あまり突っ込んだことは言えないが。

「多分に一週間程度は、ここに現れないとは思うよ。そのうちにこちらは奏多の引っ越しの手配だね」
「完全に居場所を分からなくする。数日でも三科が彷徨かなければやりやすいか、思いきった手を使うな、おいっ!」
「あれくらいしないと懲りないよ。近所のご婦人を探すのに手間取ったけど、効果は十分にあった」
「あれは十分以上だろ」
「相手は三科だからね。
それよりも帰りも巽の車かい?」
「あ? そっちに行けって言ってある」
「くすくす。巽らしい」
「余計なお世話だ」

今度こそスマホを放り投げ、もう一本煙草に火を点ける。これでも来る時は奏多を乗せていたから我慢したんだよ。居ない時くらい吸わせろ。

「そうそう、夕方は巽がホテルまで送ってあげて欲しい」
「……は?」

慌てて煙草を消した俺。
絶対にライターの音が聞こえていて言ったな、このやろう!
それから奏多が家から出るまでの間、俺は車の換気をする羽目になり、のんびりすることすら出来なかった。悔しいが聖には勝てん、ちくしょう!

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