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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

三科の位置が分かったんだ、しかも俺が居る場所からでも見える位置だ。いつもの暇潰しの煙草を取り出しながら、ハンドルに腕をかけて双方の様子を見ることにした。
次に聖から連絡が入ったのは、十分以上経ってからか? コールに通話をタップすれば、聖の軽快な声が聞こえてくる。
「中々いい人材が居なくてね、漸く見つけて仕込みをしたよ。そっちは巽?」
「全く動きなしだな」
「それは順調。では三科にはご退散願おうか」
「だから、なにを仕込んだやら」
「見ていれば分かるよ」
「はぁ……」
こんなことを言う聖は、絶対にロクなことを考えていない。見た目穏やかな優男、中身は腹黒いからなぁ。子供の頃からの教育の賜物だが、裏で動く時の聖は俺でさえ怖いものを感じるぜ。
(ん? 中年の女が一人)
買い物帰りの主婦、そう取れなくもないんだが、なんとなく違う予感がする。
黙って見ていれば、女は迷いなく三科に近づき……三科は慌てて逃げた?
「だから、なにをしたんだよ聖?」
「ん? 近所のご婦人だと言うからね『貴方の近くの家に泥棒のような男が居ます。どうか近所に分かるように叫んで下さい』と、言ったんだよ。見事に引っかかったね」
「はあー!? おいおい、やり過ぎだろうそれは」
「一番効率よく逃げる方法だと思うけどね。三科でも泥棒疑惑は嫌だとは思うよ」
「はぁぁ…………」
思わずの深いため息を吐き出した俺。効率的だが限度を知れだ。聖は容赦ないからなぁ。

