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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第16章 聖の本気

あれから聖さんの家に戻り夕食を取ってから、今度はまた巽さんの車に乗ってホテルまで送って貰った。
どうやらホテルのほうは、二人が言う日数以上の日にちを押さえているらしく、十日くらいの余裕はあるらしい。でも慣れないホテル暮らしなんて、私には似合わないよ。
次の日は仕事。朝から病院に私の家と、予想以上に移動を繰り返したせいで疲れが出たのかな? 意外と早く休むことは出来たの。

次の朝。
ここのホテルは早朝からモーニングをやっていて、朝食を頂いた後、私は会社に行くためにホテルを飛び出す。ホテルから会社までは一駅乗れば済む近さで、いままでより余裕のある出勤が出来るのが利点。朝の通勤ラッシュは大変だもんね。

そして駅。三科さんに襲われた場所、本音を言えばまだ怖い、三科さんが居るようで。……そんな憂鬱な駅前を歩いていれば。

「あれぇ奏多!?
なんでなんで? 奏多はもっと早い電車だよね」
「え? 朝陽!?」

偶然にも、同じ出勤途中の朝陽と鉢合わせ。朝陽はこの時間の電車に乗っていたんだ。

「インフルって聞いていたけど、もう大丈夫なの?」
「へ? ……あぁうん、もう大丈夫」
「待機期間も終わったもんね。私一人で寂しかったよぉー!」
「うん、ごめん朝陽。でも連絡くれてもよかったんじゃない?」
「えぇー!? 寝込んでいるだろうから気を使ったのにー。
その前に仕事二人分で、流石に帰宅ダウンだったわ」
「それは……。本当ーーっに、ごめん!」

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