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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気
次の日の夜、聖さんは私を新しい居場所になるマンションまで送ってくれた。
言われた通りに正面を通ればエントランスがあり、ホテルのフロントのように人が常駐している。それを抜けエレベーターに乗り七階、そこが私の新しい家。
貰った鍵を使い扉を開ければ、ゆったりとした玄関、続く廊下を歩いて突き当たりの扉を開けると……。
「うそぉー! こんなに広いなんて聞いてないよ」
リビングダイニングなんだけど、私一人で住むには、ちょっと広すぎるリビング。ところどころに、私が使っていた家具はあるけれど、家電製品はほぼ新品で、前にはなかったソファーセットまである。
「カウンターキッチン、ガスじゃなくてオール電化、冷蔵庫も大きくなって、ソファーに大画面テレビ。……全然落ち着かないじゃない」
勝手が分からない家の中を、私はチラチラと覗き。でもね、一つ気づいたの。見た目は豪華になっているけど、小物類は前のままだって。お皿、グラス、包丁、鍋。IH対応じゃないものは流石に替わっているよ、だけど残りはそのままに、足りない物だけ増やした感じ。
「そう、もう一部屋ある」
ワンルームだけど、1LDK、つまり一部屋増えたってこと。リビングから続く扉、それを開けば……。
「……あ……」
ベッドとカーペットは大きいのになっている、でも他は前のままに近い。毎日化粧していた鏡台、ロータイプのテーブル、お気に入りのぬいぐるみたち、置いて来た書籍の類。これは全く同じなの。