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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気
「これを替えるとなると手間だな。今はソファーに座って見るのが最高の状態にしてある、替えればテレビからスピーカーの位置まで全て替えなきゃならん」
「凄く詳しい」
「こういうことが好きなんだよ。メカいじりってのか? 子供の頃から好きだな」
「他に……他には?」
「ん?
車にバイク、サバゲーもやる。後は冬になるとスノボーもか」
「多趣味だね」
「興味が湧いたものには、一度くらいは手を出すな。一応夜遊びなんかもしてみたが、今は完全に止めているぞ?」
「どうして?」
「夜を一緒に過ごすなら、好きな女一人でいい。奏多だけで十分だ、他は要らん」
「それって……」
巽さんのことを知るチャンスだと思ったのに、最終的には私の話。それでも年齢相応の趣味だよね、スノボーとかは私でも憧れるもの。それに……こんな風に言われるのは嬉しいよ。
「思えばずっと奏多一人だった。……これでも初恋だったんだぞ」
「……えぇー!?」
言ってから、照れたように横を向いてしまった巽さん。俺様感なのに純粋って、なんだか不思議だけど違和感はないの。うんん、逆に好感を持てるタイプだと私は思う、誰にでも好かれるタイプって意味ね。
「……変か?」
「うんん、そんなことない」
「奏多がいいんだ、他など目に入らない、入れる必要もない。俺には一人だけで十分なんだよ」
「巽さん」
ふわっと私を抱き締める腕は、優しく力強い。すっぽりと巽さんの胸の中に収まってしまう私。こうされるの嫌いじゃないの、巽さんの香りに包まれるのは……好き。