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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第18章 心境複雑中
「たまに見るくらいがいいかな? 今の巽さんでいいと思う」
「たまに……か」
「たまに。見馴れちゃうと面白くないから」
「それもそうだ。嗜好品なんて時々でいいんだよ」
「私もそう思う」
もう一度煙を吐き、巽さんは煙草を消してしまった。いかにも男性って感じだよね、煙草を吸う姿って。だけど一日中吸われるのは、ちょっとと思ってしまうの。こうして時々見るから、好きって思えるのよ。
「それにしても、俺はよくかわされるな」
「……へ?」
「毎回いい感じになればこれだ。そうやって聖もかわしているのか?」
「そんなつもりじゃ……。
巽さんと話すのは楽しいから。聖さんとはなにも無かったです」
「無かった?」
「せいぜいキスされるくらいで……後は全てホテルに送って貰い、聖さんはそこで帰ってます」
「聖……がな。この間のやつが効いたか?」
「この間? ……あっ!」
聖さんに中で出されたこと。巽さんが病院に連れて行ってくれたこと。あの時は二人で話すと言って、私は蚊帳の外だったけど、なにを話したんだろう。
「聞いてもいいの?」
「俺は半分喧嘩ごしだったんだが……聖はもう二度としないとは言っていた。そのせいか、奏多に手を出さないのは?」
「二度としない、それだったらいい。あの時は私も焦ってしまって、無駄なことを沢山したし……。でも二度としないと言ったのに、聖さん……」
「俺はその無駄なことを知りたいが、まぁいいか。
聖がああ言う時は嘘は吐かない、本当に二度とやらないだろう」
「そう……」