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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第21章 私が好きなのは
「違う? ……ンン」
「想いの違いというやつだ。好きなら好きなほど、愛していれば愛しているほど、男ってもんは一人に執着するんだよ。俺も奏多にしか萌えんし他を抱く気にすらならない。一生奏多だけ居てくれさえすれば、俺は十分以上に熱く萌える」
「……っっ!!」
初めて……初めて、巽さんの口から一生なんて言葉を聞いた。私一人だけ、巽さんはそう言ってくれる。……いつも以上に嘘のない真面目な瞳、その瞳に魅入られてしまいそう、私もと応えてしまいそう。
(そう……私……私は……)
朝陽のことを踏まえても、私は巽さんのほうが好きなんだね。朝陽であり巽さんでもあるけれど、私の中ではどちらも好きなんだもの。……それが私の心、好きな人は一人だけだったよ私。
(でも今は言えない)
聖さんが期限を切った一週間まで後数日。心は決まったけど、二人揃った場所で私は言いたい。だから……今は許してね巽さん。
「……奏多?」
「なんでもない」
ソファーから両腕を広げ、巽さんの首に絡ませてキスをせがむ。一度心が決まったら、こんなことも簡単に出来るんだね。
「巽さん……んん……」
「奏多から誘われるのは萌えるな」
「……ん……あ……」
この女性みたいな柔らかい唇が意外に好き。唇はフワフワなのに、男性的な大きな舌とのギャップがいいの。いつも巽さんがするように、私から巽さんの唇を舌でなぞる。
「今日は大胆だ」
「……あまり傷に負担をかけさせたくないの」
「そんな理由でも嬉しい」