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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第22章 どちらを選ぶ?
巽が使う変声機は、特許収得中の最先端の物。これを探すのに僕も手伝ったので、記憶に新しい。
「あまり壊すと泣かれるよ。まだ安定生産とはいかない物だからね」
「分かってる。発注をかけたら、メールで泣かれたさ」
「おや? 僕より反応が早かったね」
「今回俺は開発に携われないんだ、泣かれても仕方ない」
「巽の得意分野だからね。それよりも、巽の家で話したいことがある」
「奏多込みか?」
「奏多には先に話してあるから心配はないね。……ただ奏多とは別になるけれど、この騒ぎで社長が動く気配がある」
「親父か……そろそろ焦れて来たか?」
「さぁ、僕でも腹の内までは……」
巽は社に居ないので、僕のほうに打診が来ている。
僕と巽、そして奏多も一緒に呼び出すと。これを無視するわけにもいかなく、巽の家にお邪魔という理由で、奏多を含めて話をするつもり。
「怪我のことは社長も知っているから、来週辺りが一番危ない。奏多に話したことも来週、丁度いい機会だとは思っているよ」
「奏多になにを言ったんだ聖?」
「それも言ってから話す」
「……そうか」
「今すぐ行くとは言わないから、今日くらいは素直に療養して欲しいね?」
「聖まで言うのかよ」
「おや? すでに言われた後だったかな」
「あぁ、奏多にガッチリ言われた」
これはこれは。巽主権かと思いきや、奏多も奮闘しているよう。それに笑いながらも通話を切った。
本当話し合わさなければ、後で面倒ごとになる可能性を秘めている。