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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第22章 どちらを選ぶ?
「……話したのかい、金森朝陽のことを」
「話した。話すしかなかったが正解か」
「それで奏多は?」
「……受け入れたよ、俺のことも、朝陽のことも。逆に奔放に俺の家で動いている」
「そう……。奏多が決めたのなら、それでいいよ」
予想通りと言うべきなのだろう。金森朝陽が巽だと知っても、嫌がるどころか受け入れた奏多。優しい性格の彼女らしい選択。
これで僕の可能性はなくなったのかな。巽はそこまで気づいてはいなさそうだけどね。
「それで奏多をどうするつもりだい? 車が使えないとなると、色々不便なのでは?」
「朝陽の服を着こなしてる。足りない物は、ネットで調達しかないだろう」
「家に返すという選択肢はないんだね巽?」
「そこそこに左腕が動かないんだ、奏多が居てくれたほうが助かるんだよ」
「なるほど。気が向いたら僕もお邪魔するよ。怪我も気になるからね」
「あぁ、別に構わん」
巽は簡単に頷いた。ということは、巽は奏多に手を出していない? 憶測の範囲ながら、僕はすでに手を出していると思っていた。実際はどうなのか、確かめるのも悪くはない。
「僕から手を回して、来週明けまでは休みだから、怪我の療養もかねて、ゆっくりすればいい」
「やはり聖の差し金か。まぁ、助かるが……。暫く朝陽はやれんからな」
「??」
「変声機だ、ぶっ壊れたんだよ。新しいのが届くまで朝陽は出来ん」
「くすくす。あんな使い方をしたからね、致し方ないと思っているくせに」
「まあな」