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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第23章 作戦会議IN……
「毎日コンビニだったんだね」
「あれ? 聖さんは知らない?」
「一々細かいことまで言わん」
「僕でも、流石に日中までは把握出来ないよ奏多?」
「そうですよね」
僕と巽の間に出来た溝。
奏多が話す言葉。僕にはまだ多少の敬語のままという一線。これが抜けることはないのだろう。信用はされていても、越えられなかった奏多の心、それが僕の限界だったということになる。
「……巽、奏多、少しいいかな?」
「なんだ聖」
「????」
「明日の夜、奏多を借りていいかい?」
「??
今更だろ」
「聖さん?」
「なんというか……奏多と二人で話したくなったかな?」
そう、最後の……。
僕が奏多を想い出来る最後の機会。社長の前で奏多が巽を選べば、僕はもう一切奏多に触れることすら出来なくなる。悪あがきだとは理解していても、僕なりのケジメをつけるためなんだろう。
「明日、仕事が終わったら迎えに来るからね」
「……はい」
不思議そうな奏多の顔。そして僕も微妙な顔はしているだろう。そんな僕たちを交互に見る巽。やはり巽は分かっている様子はない。
これが本当にいいことなのか、そう問われたら悪いと答えると僕も思う。それでも最後のケジメくらい付けさせて欲しい。
「??
今日はどうするんだ聖?」
「代行かタクシーを呼んで帰るよ。巽のマンションじゃ二人は泊まれないからね」
「聖のマンションがデカ過ぎだ」
まあねと言いながら、僕は内ポケットにあるスマホを取り出す。ここに泊まるという選択肢もあるけれど、僕が見ていたくなかったのかも知れない。