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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第23章 作戦会議IN……
(いや、そうじゃない)
僕は……僕たちは、愛情を知る前に欲望を知ってしまった。それゆえに、女性のほうの愛情の変化に疎いのだろう。特に巽は、女性の愛情というものを毛嫌いしてた時期があるから余計に……。
(不器用だよね、僕も巽もそして奏多も)
巽からは聞いている、奏多が短大時代のトラウマで、男性に対し拒絶の意思があったことを。それを変えさせたのが巽なことも。
この時点で僕は巽に負けていた。これを踏まえても僕は諦められなかったのは確か。……最終的には納まるところに納まってしまったが。
「……僕も話に混ぜて欲しいね?」
「料理話なら、俺より聖だろ」
「どんな料理を作るんですか聖さん?」
何事もなかったように話してくれる二人。それがどれほど心安らぐか、そして巽を少し羨ましいと思うのか、きっと巽には分からない。
巽より少しだけ人生経験が長い僕。押し付けがましい女性の愛情表現を知り、愛情の優劣というものを知った。
「どんな……ね。和洋中一通りかな? 料理に夢中になっている間は、なにもかも忘れていられるのがいい」
「聖さんの料理を食べてみたいです」
「そのうち僕のマンションにおいで。腕によりをかけてご馳走するから」
「本当ですか! 凄い楽しみ」
「俺は簡単な物しか作れん」
「意地でもコンビニ派だもんね」
「毎日力押しでゲットするのも大変なんだぞ?」
「あぁ! どうしてゲット出来ていたのか、今頃分かった気がする。見た目朝陽、中身巽さんだもん、みんな巽さんの力押しに負けてたんだ」
「まあな」