この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第7章 女子トーク(仮)
嘘は言ってない。本当に三科さんは、私がお手洗いに立つまで離れてくれなかったわけだし。
……ただ、巽さんのことは隠した。というより言えなかったの。私自身も実感が薄いのが理由。
「もしかして、三科さんって奏多に気がある?」
「それこそまさかでしょう。あの時の三科さんは周りの質問責めから逃げたかっただけだし。……でも朝陽のことを聞いていたような……」
「私!?」
えーと……。
あまりにも凄い一夜で、三科さんとの会話は忘れがち……とは言えないよね。
思い出して私!
「そう……『金森さんも?』と、彼氏は居ないのという話の中だったよ」
「えー! 私、三科さんって範疇外。これ、前にも言ったよね?」
「聞いたけど……。聞かれたから居ないとは答えた」
「マジ!?」
朝陽、凄く嫌な顔してる。
そこまで嫌かな?
……私が言えたことじゃないけれど。
最終的には三科さんから逃げた私だもの。
「今は早く着替えないと……あ、朝陽には関係ないよ」
「まーねー、制服出勤だものね」
「よく制服で電車に乗れるよ」
「私はこだわらないの!」
三科さんの話で時間を取られたけど、始業までもう少し。早く着替えて化粧直ししないと遅れてしまう。
朝陽は言ったように制服出勤。化粧もばっちりだし、首のスカーフも忘れない。
スカーフは制服じゃないよ、朝陽の自前。このほうが見た目が良いと、上の許可を貰って、堂々とスカーフ標準装備なのよね。
新人で言えるのが凄いと思ってしまう。