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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第7章 女子トーク(仮)
◇◇
「今日のアポイントメント予約は46件、その他に……って、聞いてる奏多?」
「……え? う、うん聞いてるよ」
あ、また……。
家に帰った後から、こうして思いに耽ることが多い。
休日の殆どを、こんな感じで過ごしてしまったくらいには、私には衝撃だったのよ。
……違う。朝居なかったことで現実味がないから。全て私の夢だったんじゃないか、私は酔って自分であのホテルに入り眠ってしまったのでは? 何度も同じことを考えてる。
「……だから奏多!」
「ごめん朝陽」
「やっぱり、なにかあったじゃ……。ねぇ……」
「ないよ。ちょっと寝不足なだけだから気にしないで」
心配している朝陽に、こんな言い方しかできないなんて、私が少し情けない。
なんて言っていいのか分からないの。ほら、朝陽が帰る前に聖様を見て不服そうだったのが、心に引っ掛かっていて……。
いつもは明るく元気な朝陽なのに、あんな雰囲気で暴言を吐くのは、私も初めて見たので余計に言いにくくなっているのよ。
◇
朝応対は、社員はほぼ出勤しているので、少し遅く来る重役対応から始まる。
とは言っても、受付の私達では挨拶程度しか出来ない、向こうも話かけることも無いのが日常。
『おはようございます』
今日、一番最初に来たのは社長。実年齢より若い感じで、私と朝陽が挨拶すれば、必ずこちらを向いて頷いてくれる。
やり手社長ともなると、社員の一人一人をしっかり見ているのかな? 色んな意味で気を付けなくちゃ。