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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第8章 営業マンは受付嬢が好み

「これから飲みに行かない? ずっと夏目さんを誘いたかったんだ俺」
「三科さんと二人でですか?」
「そう。俺とじゃ嫌かな」
「嫌ではないですけど……」

よく話すようにはなったと言えども、私は三科さんに対して、なにも思っていない。ただの同僚としてだったら承諾するけれど、それ以外の目的であれば遠慮したいのが本音。

「どうして私なんですか?
三科さんでしたら、他に誘える人が沢山居そうです」
「夏目さんだから。という理由じゃ駄目かな?
一度さし飲みしてみたかったんだ」
「それは同僚として?」
「勿論、変な理由じゃない」
「分かりました」

そう断言してくれるなら……行ってもいい、そう思ったのよ。




三科さんに案内されたのは、ビルの最上階に店を構えるお洒落なバー。
お酒感が強いけど、料理もいい物を提供しているらしい。仕事帰りでお腹が空いている私にすれば、理想的な店だとは思うよ。

「ここまで来て俺はビールだけど夏目さんは?」
「私はどうしよう……チェリーブラッサムで」
「肴は……チーズと一口で食べれる肉もいいね。あ、サラダはどう夏目さん」
「あるほうが嬉しいです」

そこまで食にこだわりはないけれど、肉は少し重いかな?
取り分けて少しは食べるとは思う、でもサラダのほうが食べやすいのよ。
思ったより重いメニューで驚いた。バーなのに、しっかりとしているんだね。

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