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喪服奴隷・七菜
第10章 奴隷宣言

典型的な2LDKのマンション。
ダイニングのドアを開けて廊下に出れば、玄関が目の前にある。
左が唯一の和室で、いまは仏壇が飾られてある。
右側が寝室で、大きめのベッドがいまは空しい。
窓際にはキッチン、ダイニング、リビングが広がっており
白を基調とした明るい間取りになっている。
玄関の錠を外して、扉を開ける。
スーツ姿の省吾が、大きな営業カバンを抱えて立っていた。
『散らかってますけど、どうぞおあがりください』
「失礼するよ、そういえば仏壇も見てなかったからな」
そう、和室にはこの部屋には不釣り合いなほどの立派な仏壇が飾られている。
七菜がバタバタして手が回らないときに
省吾が有名な飯山の仏壇店に手配して作らせたものだ。
総黒檀造りのシンプルなものだが、これ1棹で国産の高級車が買えてしまう。
『あの節はお世話になりました。本当に助かりました』
といいながら、和室に案内する。
省吾はカバンを脇に置くと、正面に正座して蠟燭に火を灯す。
「仮にも工藤家の人間を、粗末な仏壇に納めるわけにはいかんからな。
手向けだと思ってくれればいいさ」
省吾の斜め後ろに正座した七菜は
『それにしても立派なお仏壇を、もったいなく思います』とお辞儀する。
仏壇横の長押の上には、隆の遺影が額に入れられて飾られている。
優しく微笑む姿は、生前の穏やかな性格そのものだった。
省吾は線香に火をつけると、鐘を鳴らして手を合わせる。
隆・・・こんなきれいな嫁さんを残して、さぞや無念だろうな。
安心しろ。七菜はきっちり俺がいただいてやる。
せいぜいあの世で、歯軋りしながら見守るんだな。
省吾はそんなことを心の中で思いながら、頭をあげた。
『わざわざご焼香いただきまして、ありがとうございます。
今お茶をお出ししますが、実はちょうど食事中でして、
食べたらすぐにご用意しますので、ちょっと待ちいただけますか』
すぐにお暇するだろうと思ったが、社交辞令としてお茶の誘いを掛けてみる。
「そうかい。それはタイミングが悪いときにお邪魔したな。
ではリビングで待たせてもらおうか。暇つぶしにテレビを拝借しても構わないかな?」
七菜は一瞬困った顔をしたが、すぐに繕って笑顔に戻る。
『はいどうぞ、ゆっくりしていってください』
ダイニングのドアを開けて廊下に出れば、玄関が目の前にある。
左が唯一の和室で、いまは仏壇が飾られてある。
右側が寝室で、大きめのベッドがいまは空しい。
窓際にはキッチン、ダイニング、リビングが広がっており
白を基調とした明るい間取りになっている。
玄関の錠を外して、扉を開ける。
スーツ姿の省吾が、大きな営業カバンを抱えて立っていた。
『散らかってますけど、どうぞおあがりください』
「失礼するよ、そういえば仏壇も見てなかったからな」
そう、和室にはこの部屋には不釣り合いなほどの立派な仏壇が飾られている。
七菜がバタバタして手が回らないときに
省吾が有名な飯山の仏壇店に手配して作らせたものだ。
総黒檀造りのシンプルなものだが、これ1棹で国産の高級車が買えてしまう。
『あの節はお世話になりました。本当に助かりました』
といいながら、和室に案内する。
省吾はカバンを脇に置くと、正面に正座して蠟燭に火を灯す。
「仮にも工藤家の人間を、粗末な仏壇に納めるわけにはいかんからな。
手向けだと思ってくれればいいさ」
省吾の斜め後ろに正座した七菜は
『それにしても立派なお仏壇を、もったいなく思います』とお辞儀する。
仏壇横の長押の上には、隆の遺影が額に入れられて飾られている。
優しく微笑む姿は、生前の穏やかな性格そのものだった。
省吾は線香に火をつけると、鐘を鳴らして手を合わせる。
隆・・・こんなきれいな嫁さんを残して、さぞや無念だろうな。
安心しろ。七菜はきっちり俺がいただいてやる。
せいぜいあの世で、歯軋りしながら見守るんだな。
省吾はそんなことを心の中で思いながら、頭をあげた。
『わざわざご焼香いただきまして、ありがとうございます。
今お茶をお出ししますが、実はちょうど食事中でして、
食べたらすぐにご用意しますので、ちょっと待ちいただけますか』
すぐにお暇するだろうと思ったが、社交辞令としてお茶の誘いを掛けてみる。
「そうかい。それはタイミングが悪いときにお邪魔したな。
ではリビングで待たせてもらおうか。暇つぶしにテレビを拝借しても構わないかな?」
七菜は一瞬困った顔をしたが、すぐに繕って笑顔に戻る。
『はいどうぞ、ゆっくりしていってください』

