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私を抱いて…離さないで
第3章 パパ

『もし良かったら、今度、俺をアフター指名して』
「……え」
『お願い……!』

プツッ、
先に切られる電話。
携帯の画面から、祐輔くんの名前が消える。

「……」

ふと思い出されたのは、施設時代に先輩から受けた、性的な嫌がらせ。
暗くて長いトンネルの中を彷徨い、いつまでも見えない出口に苦しんでる、私──


……似てる……
あの時の、私に──


『来てくれるだけで、嬉しいから』──もしかしてあの台詞は、営業トークでも、優しい気遣いからでもなく。

SOSを籠めた、本音──?

「……、」

そう思ったら、今まで祐輔くんが細客の私を繋ぎ止めていた本当の理由が、解ったような気がした。



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