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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人

あからさまに視線が泳いでしまい、目を伏せる。
別に、先輩に対して後ろめたい事をしてる訳じゃないのに……
「……こ、これから、人と会う約束を……してて……」
「その待ち合わせって、どこ?」
「え……」
先輩が半歩近付き、私との距離を詰める。驚いて半歩後ずさりながら顔を上げれば、先輩の唇が綺麗な弧を描いた。
「心配だから、そこまで連れて行くよ」
「……」
親切で言ってるんだろう。
でも正直……先輩とは、殆ど会話を交わした事がないし、私とは住む世界の違う人。……なのに、この距離感……
「………いえ、大丈夫です」
「そう?」
目を伏せて答えれば、先輩の手が伸び……私の頭を優しくポンポンとする。
「……わっ、」
驚いて、首を竦める。
何とも言えない感覚が走り──好きでもないのに、ドキッとさせられた。
竦めたまま視線を上げれば、優しげな笑顔を向ける先輩が。
「じゃあ、気をつけて行けよ」
言いながら私の髪を、今度はくしゃくしゃっと掻き混ぜる。
「……はい」
こうやって、先輩を好きになる子が増えていくんだろうな……
普段された事のない行為に、ドキドキが止まらない。胸を押さえながら、去っていく先輩の背中を見送った。
別に、先輩に対して後ろめたい事をしてる訳じゃないのに……
「……こ、これから、人と会う約束を……してて……」
「その待ち合わせって、どこ?」
「え……」
先輩が半歩近付き、私との距離を詰める。驚いて半歩後ずさりながら顔を上げれば、先輩の唇が綺麗な弧を描いた。
「心配だから、そこまで連れて行くよ」
「……」
親切で言ってるんだろう。
でも正直……先輩とは、殆ど会話を交わした事がないし、私とは住む世界の違う人。……なのに、この距離感……
「………いえ、大丈夫です」
「そう?」
目を伏せて答えれば、先輩の手が伸び……私の頭を優しくポンポンとする。
「……わっ、」
驚いて、首を竦める。
何とも言えない感覚が走り──好きでもないのに、ドキッとさせられた。
竦めたまま視線を上げれば、優しげな笑顔を向ける先輩が。
「じゃあ、気をつけて行けよ」
言いながら私の髪を、今度はくしゃくしゃっと掻き混ぜる。
「……はい」
こうやって、先輩を好きになる子が増えていくんだろうな……
普段された事のない行為に、ドキドキが止まらない。胸を押さえながら、去っていく先輩の背中を見送った。

