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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
──やだ。
待ち合わせ場所で会った時から、何となく感じていた嫌悪感。
だけど、会ってしまった以上、そのままサヨナラという訳にはいかなくて。
……だったら、心と身体を切り離せばいい。
何度もそう心の中で言い聞かせて、冷静を保ちながら事を済ませようとしたのに……
否応もなく、引っ張り出される。
もう……心の奥底に仕舞い込んで、頑丈に蓋をして鍵まで掛けたのに──あの忌々しい記憶が………
「……ん、どうしたのかな……?」
焦点の合わない視界。それが、男の声ひとつでクリアになる。間近に迫る顔。熱情と支配欲を満たした鋭い瞳が、真っ直ぐ私を捕らえて離さない。
「そんなにここ、気持ち良かった?」
「……」
目を合わせたまま無反応を貫けば、男の口角がクッと片側だけ持ち上がった。