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私を抱いて…離さないで
第1章 初恋の人
「……川口さん。来月のシフトだけど」
バイト終わり。バックヤードに戻ると、事務机の前にいた店長に呼び止められた。
「空いてる所、出られない?」
「……え」
シフト表を持って、店長が近付く。
渡されたそれに目を落とせば、パラパラと目立つ、空白。
「もう参ったよ。……最近入った新人いたでしょ? 昨日突然、学校にバレたから辞めるって連絡が入ってさぁ」
「……」
申し訳なさそうに眉尻を下げる店長。ハハハ…と乾いた笑い声を上げ、後頭部をポリポリと掻く。焦っているようでいて、そんな感じが一切伝わってこない。
多分店長は、言えば私が入れてくれるものだと思ってる。