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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
「………え、」
状況がよく飲み込めず、思わず声が漏れる。そんな私に、先輩が爽やかな笑顔を見せる。
「スープ作ったんだけど、飲む?」
「……」
「はは。……飲めたらでいいよ」
「………はい」
身体を起こそうとして、裸なのを思い出し、止める。
何で私が先輩の家にいるのか……それすらまだよく思い出せない。
キッチンから抜け出してくる先輩。
ベッド近くのローテーブルに、スープの入ったカップボウルがふたつ置かれる。
湯気の立つそのスープは透き通っていて、あっさりとした出汁の香りが辺りに広がった。
「……あの、私……」
声を掛けると、先輩がベッド端に腰を下ろす。
片手を付き、私の顔を覗き込めば、徐にもう片方の手が伸び、私の前髪にそっと触れる。
「おはようのキス、していい……?」
「……え……」
横髪と一緒に梳いた長い指先が、頬骨辺りまで滑り降り、優しく包む。
先輩の、潤んだ瞳。
瞬きもせず、その瞳をじっと見つめ返していれば、先輩の顔が視界一杯に迫り──
状況がよく飲み込めず、思わず声が漏れる。そんな私に、先輩が爽やかな笑顔を見せる。
「スープ作ったんだけど、飲む?」
「……」
「はは。……飲めたらでいいよ」
「………はい」
身体を起こそうとして、裸なのを思い出し、止める。
何で私が先輩の家にいるのか……それすらまだよく思い出せない。
キッチンから抜け出してくる先輩。
ベッド近くのローテーブルに、スープの入ったカップボウルがふたつ置かれる。
湯気の立つそのスープは透き通っていて、あっさりとした出汁の香りが辺りに広がった。
「……あの、私……」
声を掛けると、先輩がベッド端に腰を下ろす。
片手を付き、私の顔を覗き込めば、徐にもう片方の手が伸び、私の前髪にそっと触れる。
「おはようのキス、していい……?」
「……え……」
横髪と一緒に梳いた長い指先が、頬骨辺りまで滑り降り、優しく包む。
先輩の、潤んだ瞳。
瞬きもせず、その瞳をじっと見つめ返していれば、先輩の顔が視界一杯に迫り──