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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
あと少しで日付が変わる──
風邪で急遽バイトを休んでしまった為、代わりに出てくれた人とシフト交換をした事で、帰りが随分と遅くなってしまった。
当然、終電には間に合わず。タクシーを拾って帰る選択肢しか思い浮かばない。
だけど、今の私はそのタクシー代すら惜しくて。このまま歩いて帰ろうかと、考え倦ねながら帰路につく。
「……!」
住宅街の中にある公園──花壇やベンチ、運動トラックや雑木林等がある、割と広めの森林公園。
外灯の多い園内の遊歩道を歩いていれば、割と短い藤棚トンネルの向こうから、サラリーマンが気怠そうに此方へ向かって歩いてきていた。
こんな時間に……?
身の危険を感じ、咄嗟に脇道に逸れて隠れる。
「……」
草臥れたスーツ姿の男性。抱っこ紐をし、缶ビール片手に赤ん坊をあやしている。
「……」
その光景は異様で。見開いた二つの瞳に焼き付く。
風邪で急遽バイトを休んでしまった為、代わりに出てくれた人とシフト交換をした事で、帰りが随分と遅くなってしまった。
当然、終電には間に合わず。タクシーを拾って帰る選択肢しか思い浮かばない。
だけど、今の私はそのタクシー代すら惜しくて。このまま歩いて帰ろうかと、考え倦ねながら帰路につく。
「……!」
住宅街の中にある公園──花壇やベンチ、運動トラックや雑木林等がある、割と広めの森林公園。
外灯の多い園内の遊歩道を歩いていれば、割と短い藤棚トンネルの向こうから、サラリーマンが気怠そうに此方へ向かって歩いてきていた。
こんな時間に……?
身の危険を感じ、咄嗟に脇道に逸れて隠れる。
「……」
草臥れたスーツ姿の男性。抱っこ紐をし、缶ビール片手に赤ん坊をあやしている。
「……」
その光景は異様で。見開いた二つの瞳に焼き付く。