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兄の帰還 壁越しに聞こえる妻の嬌声
第1章 兄の帰還
4年前、インドネシアで海洋研究中に事故で死亡したと思われていた兄が、実際は生きていたことがわかったとき、父も母も大喜びした。
僕も大好きな兄が生きていて本当に嬉しかった。
でも僕たちは大きな問題を抱えていた。かつての兄の妻は、現在、僕の妻だったからだ。
兄と琴美は大恋愛の末、周囲の反対を押し切って学生結婚した。その後、兄の研究者としての道が開け、ようやく琴美の両親にも認められた矢先に事故は起こった。
当時の琴美の悲しみは相当なものだった。僕は、一生懸命、琴美を励まし、慰めた。大好きな兄の奥さんということもあったが、僕自身が兄に紹介されたときから、琴美の清楚な美しさに魅かれていたからでもあった。因みに、琴美は僕と同い年で、まだ23歳だった。
僕だけでなく周囲の支えもあり、琴美は、少しづつ立ち直っていった。そして、おととし兄の3回忌を終えたとき、僕は琴美にプロポーズした。琴美は、優しく微笑みながら、僕の申し出を受け入れてくれた。
その半年後、僕たちは結婚した。
僕も大好きな兄が生きていて本当に嬉しかった。
でも僕たちは大きな問題を抱えていた。かつての兄の妻は、現在、僕の妻だったからだ。
兄と琴美は大恋愛の末、周囲の反対を押し切って学生結婚した。その後、兄の研究者としての道が開け、ようやく琴美の両親にも認められた矢先に事故は起こった。
当時の琴美の悲しみは相当なものだった。僕は、一生懸命、琴美を励まし、慰めた。大好きな兄の奥さんということもあったが、僕自身が兄に紹介されたときから、琴美の清楚な美しさに魅かれていたからでもあった。因みに、琴美は僕と同い年で、まだ23歳だった。
僕だけでなく周囲の支えもあり、琴美は、少しづつ立ち直っていった。そして、おととし兄の3回忌を終えたとき、僕は琴美にプロポーズした。琴美は、優しく微笑みながら、僕の申し出を受け入れてくれた。
その半年後、僕たちは結婚した。