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兄の帰還 壁越しに聞こえる妻の嬌声
第2章 壁越しに聞こえる妻の嬌声
……あんっ。

どこかから女の人の喘ぎ声が聞こえてくる。

……あんっ、あんっ、あんっ。

琴美?

……あんっ、あんっ、あぁんっ。

琴美、そこにいるのか?

……あんっ、ダメっ、イッちゃうっ。

琴美!

……イッちゃうっ、イクっ!

「琴美っ!」

僕は叫びながら、目を覚ました。

周りを見回す。

昨日と同じホテルの部屋だ。僕のほかに誰もいない。

ふう、夢か……。

僕は額の汗を腕で拭った。

外はまだ暗い。どのくらい眠ったのだろう。

時計を見ると4時だ。まだ早い。

もう少し眠ろう。

僕は再び横になり、毛布をかぶった。目を閉じる。

ん!?

なぜか夢の中で聞こえた琴美の喘ぎ声止まらなかった。

あんっ、あんっ、あんっ……。

耳鳴りのよう聞こえてくる。おかしい。どうしたんだろう。

僕は再び起き上がると、耳をすましてみた。

あんっ、あんっ、あんっ……。

違う! 夢でも耳鳴りでもない。本当に琴美の喘ぎ声が聞こえてくる!

まさか。

僕は、隣の部屋に繋がる扉に近づいていった。

「あんっ、あんっ、あんっ……将生さんっ!」

驚いたことに二人は、まだ交わっていた。

パン、パン、パン……。

「琴美、好きだよっ。愛してるっ」

「わ、私も将生さんが好きっ。愛してるっ……愛してるうううっ」

琴美は、ためらうことなく、はっきりと兄への愛を口にしている。

琴美……。

僕は、琴美が兄に取り返されてしまったようで悲しかった。涙が溢れてくる。

でも身体は違う。異常なまでに興奮している。肉棒がギンギンに勃起していた。

僕は、肉棒を握りしめると、涙を流しながら、手を激しく動かした。

「将生さんっ……あああぁっ……またイク……イク、イク、イッちゃうっ……イッ……クうううううっ!」

琴美の絶頂の声とともに、僕は精液を吐き出した。

その後も二人の行為は続いた。

ようやく隣の部屋が静かになったのは、6時を過ぎてからだった。外はもうすっかり明るくなっていた。
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