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BL短篇集
第7章 クリスマス・イヴ
「あ」
ふと、胸の飾りを弄ぶ手が止まる。
「‥なに‥あッ!!」
ベッドに落ちた上体を少し起こしてサンタクロースの視線の先を追えば、捲れたワイシャツからおれの股間を守る下着が丸見えになっていた。
「これはっ」
あいつの趣味に合わせた、袋状になったシルバーのシルクにイチモツを入れる形のTバック。
あいつは、勃ったおれのモノをそのシルクの中に入れたまま、ケツの紐をずらして突っ込んだ。そして、決して、おれ自身に触れることはなかった。

「すご‥、こんな下着、初めて見た。」
まじまじと見られて、おれは全身の血の気が引くような、熱が全て萎えていくような感覚に陥った。

「ひ、引くよな。こんなの‥」
おれはワイシャツの裾で股間を隠しながら、上体を起こす。
「も、元恋人の趣味っつーか、男と付き合ってんのに、チンポ見んのがやだとか言ってさ、あー、つまりさ、そいつ将来有望だから、その辺の女と付き合ったりして、後々面倒な事態になったりしたら困るからさ、だからおれみたいな、後々面倒なことにならないやつとさ、付き合ってくれてた、みたいなんだけど、ま、それもさっきまでのことなんだけっどっ!!?

って、えっ!?なんで、あんたが泣いてんだよ!!」
「ごめん、僕、キミがそんな傷ついてるなんて知らなくて」
ボロボロと涙を溢す男に呆気に取られる。
「いや、別に傷ついてないし、」
「それなのに、僕、そのいやらしい下着姿にすごく興奮してしまって、」
「コーフン?これに?」
隠していたワイシャツをペロリと捲る。おれのチンポは袋の中ですっかり萎えてしまっている。
「ダメだよ、そんな見せ方したら‥」
ギシリとベッドに膝を乗せて、ワイシャツを捲り上げているおれの手に触れる。
手の温もりと涙で濡れた瞳に、胸がドキリと跳ねる。
「なぁ?ホントにコーフンしてんの?
だって、あんたノンケなんだろ?」
「疑り深いなぁ。僕の、さっき触ったでしょ?」
照れたように言う姿に、今度は胸がキュンと鳴る。

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